【小説】文庫版 ストーリー・セラー【感想／ネタバレ】
著：有川 浩
「書きたい。世間の人みんながあたしを要らないって言うようになるまでは、書いてたい」
「そしたらまた俺が独り占めするだけだ」
キツい。
幻冬舎文庫2015年12月の新刊。約４年６ヶ月１週間の積み。『文庫版 植物図鑑』からは２年11ヶ月振り。
小説新潮に掲載された中編と対になる中編を書き下ろして、セットにまとめた１冊。小説家の妻と彼女の書く物語の世界を愛する夫の激動の人生を描く。
描く……のだが、２本の中編どちらも主要人物が亡くなる展開でしんどいのなんの。幸せな風景を描写してから絶望への階段を下りていくの辛過ぎませんか……(´；ω；`)
タイトルとオシャンティな表紙からは全然想像出来ない……。辛い……面白いんだけど辛い……。
思考するほど脳が劣化していって、やがて死に至る病とかえげつない病気を考えやがる……。えぇ、無理でしょ、思考するなって言われても……。
ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR2010恋愛小説部門第１位ってマ？みんな、ハッピーエンドじゃない方が好きなんか……。解釈次第ではハッピーエンドなんかもしれんけども。
有川さんの実体験、劇中のストーリー、劇中作の内容が入り混じって、フィクションとのフィクションの境目が曖昧になっていく。
そこに僅かな希望を見出すことも出来ないではないが……。
燃：Ｃ 萌：B+ 笑：B+ 総：A+
著者リンク
・レインツリーの国（ハードカバー、2006/09）
・文庫版 空の中（角川文庫、2008/06）
・三匹のおっさん（ハードカバー、2009/03）
・シアター！（メディアワークス文庫、2009/12）
・文庫版 阪急電車（幻冬舎文庫、2010/08）
・文庫版 ラブコメ今昔（角川文庫、2012/06）
・文庫版 フリーター、家を買う。（幻冬舎文庫、2012/08）
・文庫版 植物図鑑（幻冬舎文庫、2013/01）
・文庫版 県庁おもてなし課（角川文庫、2013/04）
・新潮文庫版 キケン（新潮文庫、2013/06）
・新潮文庫版 ヒア・カムズ・ザ・サン（新潮文庫、2013/09）
・文庫版 空飛ぶ広報室（幻冬舎文庫、2016/04）
・文庫版 旅猫リポート（講談社文庫、2017/02）
・文庫版 キャロリング（幻冬舎文庫、2017/12）
・文庫版 明日の子供たち（幻冬舎文庫、2018/04）
・文庫版 アンマーとぼくら（講談社文庫、2020/08）
・文庫版 みとりねこ（講談社文庫、2024/04）
スポンサーリンク
