【ボーダー】ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私と甘い寓話【感想/ネタバレ】
著:野村 美月 イラスト:ajimita
━━自分が、この上なく素晴らしいと思えるものを、誇りを持って語ることができる。ストーリーテラーとして、これ以上の喜びはありません。
ポプラ社2020年12月のソフトカバー新刊。約3日の積み。
復活した野村さんが凄いスピードで新作を刊行中。ポプラ社にも出現したか……。勿論今回も連作短編風味だぞ。
タイトルの「寓話」は「スイーツ」と読みます。表紙から漂うシンデレラストーリー感良いよね……。
ひっそりと佇む洋菓子店「月と私」。そこを訪れる様々なお客さんはストーリーテラーを自称する執事風の男性、語部九十九からスイーツにまつわるエピソードを聞かされる。絶品のスイーツと九十九の語るストーリーは訪れる人達の心をほぐしていって……。
もうタイトルから糖度が高いって分かるよね。
中盤までは店を訪れるお客さんの方にスポットが当たっていて1話毎に方向性が切り替わっていくんだが、終盤に向けて九十九とシェフの糖花さんの関係性がフィーチャーされ始めるとどんどん甘くなっていくんですよねぇ。お前等早く付き合っちゃえよ感が凄い。
野村さんのお菓子好きが炸裂しており、まぁ出て来るお菓子出て来るお菓子が美味しそうでなぁ。これ絶対太るやつやん……。
これはシリーズ化前提なんだろうか。九十九と糖花さんの関係性に突っ込んでいくなら続きを読みたいぞ。
燃:C 萌:A 笑:B+ 総:A
著者リンク
・〝葵〟 ヒカルが地球にいたころ……①(ファミ通文庫、2011/05)
・ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件(ファミ通文庫、2012/02)
・吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる①(ファミ通文庫、2014/05)
・陸と千星 ~世界を配る少年と別荘の少女(ファミ通文庫、2014/06)
・アルジャン・カレール ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~〈上〉(ファミ通文庫、2014/10)
・親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰(ダッシュエックス文庫、2014/11)
・下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。(ファミ通文庫、2015/06)
・SとSの不埒な同盟(ダッシュエックス文庫、2015/07)
・晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と(講談社タイガ、2015/10)
・楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?(ファミ通文庫、2015/11)
・むすぶと本。 『外科室』の一途(ファミ通文庫、2020/06)
・記憶書店うたかた堂の淡々(講談社タイガ、2020/07)
・世々と海くんの図書館デート 恋するきつねは、さくらのバレエシューズをはいて、絵本をめくるのです。(青い鳥文庫、2020/10)
・三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚(文春文庫、2020/12)
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