電撃文庫

パラサイトムーン〈4〉甲院夜話 (電撃文庫)
著:渡瀬 草一郎 イラスト:はぎや まさかげ

世界のどこでだって、ぼくはぼくでいられる自信があるから━━

2002年8月刊行物。9ヶ月振りの新刊。間に『陰陽ノ京』を挟んでいるので遅めの刊行ペースとなっている。読むのは多分3回目。
表紙は新章のヒロイン、由姫。

さて、今回から後半戦、甲院編に突入。これまでの主人公は迷宮神群の存在を最初は知らない人達だったけど、今章の主人公、真砂はキャラバンの人間ということで、最初から異能バトルっぽい展開です。

東都まごころファイナンスをリストラされた真砂は、神群研究者、榊糺の護衛という仕事を斡旋される。
榊と同居していた幼馴染みの少女、由姫との再会に喜ぶのも束の間、アラクナ聖典を狙って、甲院派の残党が動き出して……。

これまでに散りばめられていた要素が続々と動き出している印象。これまでとは視点が変わったことにより、印象のがらりと変わるキャラも。
北戸さんと根黒は印象変わったよな。

夢路が保護している子供達は、詩乃、フローラ、ファウナ、貴音の4人。詩乃、フローラ、ファウナは甲院派の実験室出身らしいけど、じゃあ貴音は何なのさ。

復活しつつある甲院薫に引っ掻き回されて、聖典どころか由姫までもが奪われ、踏んだり蹴ったりの状態。
明確に次巻へ続くのは初めてか。

そういえば、腐食のメリアも結局、名前だけの人だよな……。
そもそも、このシリーズって、ひょっとして、もう絶版してるのかな。

燃:A+ 萌:A 笑:C+ 総:A+

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パラサイトムーンⅢ 百年画廊(3回目、2001/11)
パラサイトムーンⅤ 水中庭園の魚(3回目、2002/11)

電撃文庫

パラサイトムーン〈3〉百年画廊 (電撃文庫)
著:渡瀬 草一郎 イラスト:はぎや まさかげ

「ね━━こういう風に触りたいとか、思わない?
それとも、嫌われるのが怖い?」
「━━その心配なら、ないと思うよ。
私は心弥ちゃんのこと、もう嫌いになれないくらい大好きだから」

うわぁあああぁあああああああ。
2001年11月刊行物。3ヶ月振りの新刊。読むのは恐らく3回目。
表紙は弓、冬華ときて、グランレイスの恋人リセル。
キャラが増えてきたためか、口絵ピンナップの裏面は人物相関図となっている。
今巻から何故か、挿絵が消滅。今回は口絵と扉絵のみ。

さて、今回ピックアップされるのは『虹の屍・オルタフ』。再び迷宮神群を巡る人々の思惑に巻き込まれる心弥と弓。そして傷心の冬華……というお話。
冬華のアフターケア、ちゃんとあったな。俺が記憶から抹消していただけだったみたい。

一部は『Ⅱ』の時系列と重複している部分があり、冬華の視点で描かれていたシーンが今回は心弥の視点で描かれている。
ここで気になるのは点心華心を訪れた女子高生らしき3人の少女。ただのモブだと思うけど、もしかして今後登場するキャラだったりしないかな……と淡い期待を抱いてみる。

面白いのは、他のエピソードと密接に絡み合っているところだよな。『Ⅱ』の裏で動いていた人物をフォローしつつも、ちゃっかり次の甲院編へのネタをばら撒いていってる。

今回、地味に目立ってる文槻香夜子先生は、親戚が『ストレンジムーン』に登場するみたいですね。

弓が囚われることになった虫籠を作ったマリアンヌは彼女自身も異能者だったそうで。こちらの世界で、そういう話が出るということは、マリアンヌは『輪環の魔導師』の世界から、こちらへ渡って来たってことなのかな。

夢路の前にシャパニアの宿主だったって人物も気になるけど、今巻で何よりも気になるのは、かつてオルタフを利用しようと、リセルの一族を追った人物ブロスペクト。
寿命で亡くなったような書かれ方をしているが、今度『ストレンジムーン』で登場するみたいなんだよな。

ってことはオルタフ繋がりで、心弥や弓にも登場ワンチャンあるかな?
うぉぉおおおおおおおお、テンション上がってきたぜぇえええええええええええええええ!!
くっそー、10年以上も前のシリーズなのに、今読んでも凄ぇ面白いな!

後書きによると、当時は『Ⅱ』の分厚さでもギリギリだったらしい。今なら何の冗談かと思うところなんだがw

燃:A+ 萌:A 笑:B- 総:A+

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パラサイトムーンⅡ 鼠達の狂宴(3回目、2001/08)
パラサイトムーンⅣ 甲院夜話(3回目、2002/08)

電撃文庫

パラサイトムーン〈2〉鼠達の狂宴 (電撃文庫)
著:渡瀬 草一郎 イラスト:はぎや まさかげ

「毎度のことながら、あの顔で『趣味がケーキ造り』は詐欺だと思うんですがね……」

2001年8月刊行物。3ヶ月振りの新刊。読むのは多分3回目。
さて、主人公を売り出し中の女優、水本冬華(ふゆか)に交代しての第2巻。姉の事故死を契機に、冬華の周囲で始まる謎の人体液化現象。それは迷宮神群『黄昏の墓守・レブルバハト』を巡る争いの再会の合図で……というお話

最近、あんまり主人公が交代するラノベって見ない気がするな。
今、パッと思いつくのは電撃文庫『バッカーノ!』『ウィザーズ・ブレイン』、HJ文庫『カッティング』くらいかなぁ。
1巻のメインキャラ、心弥と弓は、ほんの少しだけの出番しかない。

時系列は多少1巻と被っており、今回のプロローグ→1巻→2巻となっている。そのため、1巻では籤方が冬華の姉、美春を斬った話がちょろっと出ている。

今回の主人公は迷宮神群に対して無知であるため、序盤はライトホラーな雰囲気。一方で夢路や詩乃は引き続き登場している。
夢路はいわば狂言回し的ポジションなのかな。

今巻から登場する星詠みのエスハ。良くも悪くも物語に影響を与えるキャラクターだけど、『輪環の魔導師』を読んだ後だと、今まで以上に面白がってやってるだけとしか思えなくなったな……。
こちらの世界では迷宮神群の命名はエスハがやってるらしいけど、黄昏の墓守みたいな別名は、どっから出て来てるんだろう。

後半では日本における嘆きの祭夏老の拠点、紅街中華街が戦いの場となる。新作『ストレンジムーン』でも舞台になるみたいだし、祭夏老登場ワンチャンないかな。こっちでは、ついぞ出て来ず終いじゃなかったっけ。

一連の事件を終えて、父と姉を、信頼出来ると思った紳士を喪った冬華。あれ、アフターケア無しに終了か。
確か、この後も冬華の出番って無かったよな?あったっけ。

後書きによると、どうも『Ⅲ』以降は売上が良かったから出たみたいだな。

燃:A 萌:A 笑:C 総:A+

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パラサイトムーン 風見鳥の巣(3回目、2001/05)
パラサイトムーンⅢ 百年画廊(3回目、2001/11)

電撃文庫

パラサイトムーン―風見鳥の巣 (電撃文庫)
著:渡瀬 草一郎 イラスト:はぎや まさかげ

「馬鹿が。お前らが信仰してんのは神なんかじゃない。ただのよくわからん化物だ」

電撃文庫2001年5月の新刊。『陰陽ノ京』でデビューした渡瀬さんの2作目にして第2シリーズ。
今でこそ売れ線から外れたイラストを挿絵にラノベを書いてる渡瀬さんだけど、デビュー当時は、こういう萌え絵のシリーズもあったんですよという話で。

元々は友人Sから借りて読んだんだけど、ドハマりして自分で揃えたんだよな。今、改めて確認したら初版で吹いたけども。確か買ったの6巻くらいまで出てからなんだが……。

借りて1回、買って1回読んでる筈なので、多分今回は3回目。何で、積み本無視して再読してるかっつーと、2013年6月に続編と思しき『ストレンジムーン 宝石箱に映る月』が出るからです。

最初は新シリーズも迷宮神群関連作品で嬉しいな~って程度だったんだけど、詳細な粗筋を見たら、ガチで前作キャラも登場することが判明したので。

因果なもので、流石にもう出ないだろうと思って、倉庫に預けたらこれだよ。慌てて出庫手続きしましたよ。いや、逆に考えるんだ。倉庫に預けたらか続編が出たのだと。

さて、主人公、希崎心弥は人の感情が色で見える高校生。彼は夏休みに幼馴染みの少女、弓の初めての里帰りに付き合うことになるが、それは異形の存在、迷宮神群を巡る人々の思惑に巻き込まれるということで……。

驚くべきことに、直接本筋に関係無い固有名詞が恐ろしいほど出ている。ある程度、巻数を出す前提だったのかな。
キャラバンの幹部クラスの名前まで結構出てるしな。

中盤くらいまでは、心弥と弓が迷宮神群の存在を知らないので、一見ライトホラーみたいな雰囲気。
まぁ、戦闘が始まってからも造型がアレ過ぎてホラーだけどな。
全裸翅付き人間軍団VSゴキブリ怪人とか、ビックリするくらいアニメ化に不向きで吹くw
いや、当時はアニメ化なんて、ごくごく一部の作品だけの特権だったから、そこまで見据えてデザインしないだろうけどさ。

凄く捻くれて読むと、ある種、幼馴染み大勝利ものと見ることも出来て、そうするとラストの爽快感が尋常じゃない件。

そういうわけで迷宮神群ワールド1発目となる『風見鳥の巣』でした。この調子で『ストレンジムーン』発売までに6巻まで読んでしまいたいところだが……。

燃:A 萌:A 笑:C 総:A+

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パラサイトムーンⅡ 鼠達の狂宴(3回目、2001/08)

コミカライズ,GA文庫

お前のご奉仕はその程度か? ニコぷらす (ドラゴンコミックスエイジ)
原作:森田 季節 作画:町田 とし子 キャラクター原案:尾崎 弘宜

「ち…ちがっ、これは…フュージョン中で!!!」
「なお悪い!」

2013年2月の新刊。
GA文庫の人気なんだかそうでないんだか、よく判らないシリーズがコミカライズ。
森田さんとしては初のコミカライズだっけ。

掲載場所はニコニコ漫画か。今後は、ここのラノベコミカライズ率が増えていくのかな。
作画の町田さんはコミックBLADEとかで描いてる人なのか。

エイジプレミアムで連載中の本編コミカライズに対して、こちらはオリジナルキャラも交えた番外編といったノリか。

作画はクチャっとしてるんだけど、ボケがなかなか面白いんだな、これが。原作のノリを上手いこと取り込んで、漫画に仕上げてる感じ。

にしても、巻末に「ちょっとエッチなグラビア」とか収録するような絵柄じゃないだろw

燃:C 萌:B+ 笑:A- 総:A-

原作リンク
お前のご奉仕はその程度か?(GA文庫、2011/07)

作画リンク
のうりん -野生- <1>(2014/03)

アニメ,電撃文庫

「女の子が2段重ねで!2段重ねで!!」

何それ怖い。
さて、魔王城の隣に引っ越してきた謎の少女、鎌月鈴乃。それを知った恵美とちーちゃんは、それぞれ別の意味で穏やかでは居られなくて……。

相変わらず真奥達のストーキングを続ける恵美だけど、え、このアニメで透けブラサービスとか要る?それよりもっとタイトスカートの方にロックオンしろよ(ぉ

時を同じくして、何者かに襲撃される恵美。戦闘が割とガチアクションで困る。
やたら存在感の強いコンビニの店員は何なの?

あれ、ラブコメ色は強くないって話じゃなかった?割とガチでラブコメじゃね?ってか、ちーちゃん、テンパったとはいえ、真奥にグイグイ行き過ぎだろw

燃:A 萌:A 笑:B+ 総:A+

エピソードリンク
第6話「魔王、学校の階段を昇る」
第8話「勇者、修羅場に突入する」

MF文庫J,アニメ

「完璧なクズだな」

何故か自宅が消失してしまった陽人は一時的に筒隠家にお世話になることに。しかし、ラッキースケベを鋼鉄の王に目撃されて大惨事。
一方、陽人と2人っきりで沖縄旅行に行く筈だった梓は大激怒していて……。

鋼鉄の王は、テンパったときのリアクションが可愛いな。普段、怖過ぎだけど。
そして陽人は筒隠家の倉庫で、何故か自宅の自室にある筈の物品を次々と発見するのだった……。
そこには巨大な笑わない猫像があって……。

燃:C 萌:A 笑:B+ 総:A-

エピソードリンク
第4話「気楽な王の斃し方」
第6話「ようこそマイフレンド」

ガガガ文庫,コミカライズ

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。@comic 1 (サンデーGXコミックス)

原作:渡 航 作画:伊緒 直道 キャラクター原案:ぽんかん⑧

「にしても、『女子力』って単語がもうビッチくさいよな」

2013年5月の新刊。
サンデーGXで連載中のガガガ文庫人気シリーズのコミカライズ。
作画の伊緒さんは、GX出身で、これが初連載らしいな。
帯を外すと、八幡が登場する。

ビッグガンガンで連載中の『妄言録』とは異なり、こちらの原作者原案のオリジナルストーリーが展開する……的なアレかと思ったら、こちらも原作をなぞる展開だったでござるの巻。

ただ、『妄言録』に比べて、絵がぽんかん⑧さんに近いこととネタ絵が多いことが挙げられる。
ちゃんと漫画として成り立っている気がするのが嬉しい。
また、進行がこちらの方が遅めか。

ビジュアル化されると、ゆきのんの黒髪ロングがいっぱい拝めるのが良いですよね(ぉ
勿論、結衣も可愛い。

ただ、本筋でも差別化してほしいというのが正直なところではある。

燃:C 萌:A+ 笑:A- 総:A

シリーズリンク
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。@comic <02>(2013/11)

原作リンク
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(2011/03)

コミカライズリンク
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 -妄言録- Vol.1(2013/03)
やはり4コマでも俺の青春ラブコメはまちがっている。 <1>(2014/06)

ファミ通文庫

ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件3 (ファミ通文庫)

著:野村 美月 イラスト:karory

「シャール先生に嫌われたままでいるくらいなら、全身焼けただれて、皮膚が裂けて、血を吹いて、絶命したほうがマシです!」

怖ッ!
2013年3月の新刊。約1ヶ月2週間の積み。半年振りの新刊。『ヒカルが地球にいたころ……』6巻からは3ヶ月振り。

表紙はアニスか。王妃様、表紙に出ねぇかな……。
確か今回から書き下ろしの筈。

さて、物凄い勢いで立っていくアニスとのフラグ。しかし、今の状況でアニスと恋人になるわけにはいかないシャールは正体を明かすことが出来なくて……。
おいおい、生殺し過ぎるだろ……。しかもアニスはグリンダ相手に、告白の練習まで始めちゃうし……。

ヤンデレの素養を秘めた聖羅姫の嫉妬心がクライマックス。色んな書物から得た知識で偶然、17歳相当の身体になっちゃうとかファンタジーとはいえ、やり過ぎな展開で吹いた。
まぁ、コメディだから良いんだけど。

そしてギルマーと竜樹王子に、それぞれやって来たお見合いの話。最早、シャールが更にフラグを強固なものにする予感しかしねぇw

王妃様のイラストがもっと欲しいですね。人妻とか関係あらへんのや!可愛いもんは可愛いんや!(錯乱気味)

次は2013年4月に『〝空蝉〟 ヒカルが地球にいたころ……⑦』、夏に『〝花散里〟 ヒカルが地球にいたころ……⑧』、秋にこちらの4巻。

燃:C 萌:A+ 笑:B+ 総:A

シリーズリンク
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件 <2>(2012/09)
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件 <4>(2013/09)

著者リンク
〝朝顔〟 ヒカルが地球にいたころ……⑥(2012/12)
〝空蝉〟 ヒカルが地球にいたころ……⑦(2013/04)