【小説】文庫版 キャロリング【感想/ネタバレ】
著:有川 浩
「勇気出せよ」
「ぼくのお父さんとお母さんは終わっちゃったけど、大和はまだ始まってないだろ」
幻冬舎文庫2017年12月の新刊。約2年8ヶ月3週間の積み。『空飛ぶ広報室』からは1年8ヶ月振り。
クリスマスに倒産することが決まった子供服メーカーの社員、大和俊介。会社の学童施設で預かっていた小学生、航平の両親の離婚を止める作戦に手を貸す内に事態は大きくなっていき……。
視点が登場する人物に次々と移っていく構成からすると、群像劇といった方が良いのかな。
大和の過去がめちゃんこヘビーなので開幕から半端無いフォールポイントを持ってこられるのがキツい。
拗れる前提で物事を考えちゃうって、しゃーねーよなぁ。だって、拗れたケースしか知らねーんだもん。それが普通って思っちゃうもの。
誘拐騒ぎまで起こって、これで航平の両親の離婚もチャラや!やったー!となるかと思いきや、駄目なんかい……。父親としては認められても夫としては認められない。そういう線引きもあるってことか。
最後の最後で、これはやるせないやろがい……(´;ω;`)
あれ、ささやかな奇跡、連鎖してました?粗筋にはそう書いてあったが、連鎖していたようには……?
赤木ファイナンスの連中も普通にタイーホされたっぽいし……。大和を単独の主人公として見ればハッピーエンドなんだろうけども。
燃:B+ 萌:A- 笑:B+ 総:A+
著者リンク
・レインツリーの国(ハードカバー、2006/09)
・文庫版 空の中(角川文庫、2008/06)
・三匹のおっさん(ハードカバー、2009/03)
・シアター!(メディアワークス文庫、2009/12)
・文庫版 阪急電車(幻冬舎文庫、2010/08)
・文庫版 ラブコメ今昔(角川文庫、2012/06)
・文庫版 フリーター、家を買う。(幻冬舎文庫、2012/08)
・文庫版 植物図鑑(幻冬舎文庫、2013/01)
・文庫版 県庁おもてなし課(角川文庫、2013/04)
・新潮文庫版 キケン(新潮文庫、2013/06)
・新潮文庫版 ヒア・カムズ・ザ・サン(新潮文庫、2013/09)
・文庫版 ストーリー・セラー(幻冬舎文庫、2015/12)
・文庫版 空飛ぶ広報室(幻冬舎文庫、2016/04)
・文庫版 旅猫リポート(講談社文庫、2017/02)
・文庫版 明日の子供たち(幻冬舎文庫、2018/04)
・文庫版 アンマーとぼくら(講談社文庫、2020/08)
・文庫版 イマジン?(幻冬舎文庫、2022/08)
・文庫版 みとりねこ(講談社文庫、2024/04)
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